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森本洋孝 矯正歯科医


精密検査の検査内容は大きく分けて、写真撮影、レントゲン撮影、口腔内スキャンの3つに分けることができます。今回は、レントゲン写真撮影の中のCT撮影についてご説明させていただきます。

【目次】
CT撮影機器について
CTとは
CTを用いて何を見ているのか
最後に

CT撮影機器について


この写真の右側の機械を使用して撮影します。この機械は「精密検査における横顔のレントゲン写真について」でも登場したRAYSCANを使用します。RAYSCANは低線量で、かつ短時間での撮影を可能にしたモデルとなります。

CTとは

CTとはComputed Tomography:コンピュータ断層撮影法の略であり、CT検査はエックス線を使って身体の断面をスライス撮影する検査です。

スライス撮影したエックス線データはパソコン上で再構築して、3次元で表示することが可能となります。患者様を適切な位置に位置付けをさせていただき、細かい調整をしたのちに、歯科医師が撮影を行います。



CTを用いて何を見ているのか

実際のCT撮影を行ったデータがこちらです。(頭部エックス線規格写真の時と同じく私です)

スライス画像をPC上で構築したものは、見たいところを見たい角度で確認することができます。2枚の写真は何を見ているのかというと、歯の顎の骨に入り込んでいる歯根(しこん)の位置を見ています。


歯は歯根を通じて顎の骨の中にあり、骨の厚みは年齢、性別、人種、また歯の場所によって異なります。インビザライン矯正治療で歯を動かしていく際に、効率的な移動の計画を立てたり、綺麗な歯並びだけでなく、長期安定を期待できる歯並びを確立するためにも、歯と骨の3次元的な位置関係を把握して治療計画を立てていきます。

また最初から歯根が短いケースや、局地的に、もしくは全体的に骨の吸収があったり、奥歯であれば親知らずと奥歯の位置関係が近接していたり、種々の解決する必要がある情報を把握しておく必要があります。

最後に

2次元の頭部エックス線規格写真の分析したデータと3次元のCT撮影で得た情報を、インビザライン矯正治療では、クリンチェックと呼ばれるソフトウェアを通じて何ミリ歯冠、もしくは歯根を動かすのか、まずどこから動かすのか、動かす際に顎間ゴムと呼ばれる小さなゴムはどこにかけるか、、、などの具体的な治療計画を落とし込んでいって、治療ゴールを設定します。治療ゴールは患者様に診断時に説明させていただき、ご了承いただいた後に実際に患者様のお口の中に入るアライナーを作製していきます。ソフトウェアのクリンチェックについては、詳しく記載しているページを参照してください。

先述の頭部エックス線規格写真の2次元の情報と、3次元の情報はどちらも矯正治療における大切な検査項目となります。位置付けなどに際し、患者様にご協力をいただくこともございますが大切な検査となりますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。