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マウスピース型矯正装置インビザラインの基礎知識

クリンチェックというのは、インビザラインを販売しているアラインテクノロジー社の歯科矯正用治療支援プログラムです。マウスピース型矯正装置の治療計画の作成に無くてはならないものです。

アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社 歯科矯正用治療支援プログラム 「クリンチェック・ソフトウェア」製造販売承認を取得



【目次】
クリンチェックの登録方法
クリンチェックで何ができる?
治療ゴールがわかりやすい
矯正治療がどこまで進んだかわかりやすい
クリンチェックに時間をかける理由


クリンチェックの登録方法


インビザラインドクター専用のIDS(インビザライン ドクター サイト)にアクセスして、写真やレントゲン、歯の3Dデータを登録します。その後に、いちばん大事な処方書を書きます。処方書には治療方針、目標、方法、もし抜歯が必要ならどの部位をどのタイミングで、などの指示を書きます。数日で結果が帰ってくるので、できあがったクリンチェックを精査して、大抵は修正の指示をします。それを数回繰り返します。


クリンチェックで何ができる?

クリンチェックの最新バージョンのクリンチェック プロ ver.6は、ひとつひとつの歯を0.1ミリ、0.1°間隔で調整することができます。数バージョン前に「with 3D controls」と名前が追加され、3D機能がつきました。この機能がリリースされる前は歯の移動をすべてコメントで指示を出していたので、細かな調整ができませんでした。いまはとても細かく調整ができるようになっているので、治療の幅が広くなっています。


治療ゴールがわかりやすい

クリンチェックは画面上に治療前の歯ならびと治療後の歯ならび、その途中経過を3D画像として表示できるます。それなので、いまどうなっているのか、これからどうなるのか、終わったあとは?、その時々の状態を文字通り見ることができるので、とてもわかりやすいのです。

患者さんにとってわかりやすいことは、矯正医側にも大きなメリットがあります。いままで言葉で説明したことを「見て」わかってもらえるので、矯正治療のゴールを互いに共有しやすくなります。


矯正治療がどこまで進んだかわかりやすい

クリンチェックはアライナー1枚ずつの移動を表示できるので、治療中にどこまで進んだかの確認が容易に行えます。また、iTeroと組み合わせることにより、より詳細な動きを追うこともできます。

治療途中にiTeroを使ってスキャンし、3Dデータとクリンチェックのデータを比較すると、計画どおりに進んでいるかどうか、もしズレがあればどの場所がどの方向に、どの程度といったことがわかります。このように視覚的なわかりやすさだけではなく、歯の移動を詳細にモニタリングできます。


クリンチェックに時間をかける理由

インビザラインが全国に普及し、さまざまな場所で目にすることが増えてきました。ネットで調べると、コンピューターを使って治療を計画することなどいろんな事を知ることができます。コンピューターでシミュレーションするので、どの歯科医師が担当しても同じ治療結果が得られると錯覚されやすいですが、100%クリンチェックのシミュレーション通りに治療が進むことはありません。

シミュレーションはあくまでシミュレーションで、個々の患者さんのすべての情報を網羅して計算されているわけではありませんし、アライナーの変形、装着時間など、すべてを予測して計算できません。クリンチェックどおりに動かないのは当たり前として、どうすればより実現性の高い計画を立てられるのか、どのようにリカバリーするかを考えるのが、矯正歯開始の役目となります。そこに歯科医師の経験と知恵が必要になります。

マウスピース矯正のデメリット について

アラインテクノロジーから提出されたクリンチェックの結果を検証し、修正する作業を複数回繰り返して、ようやく一人の患者さんの治療計画ができあがります。ここにどれだけの時間をかけているかによって、マウスピース型矯正装置での治療の成否が分かれます。