心斎橋MA矯正歯科で主に使用しているマウスピース型矯正装置は、インビザライン(製品名インビザライン、完成物薬機法対象外)です。アラインテクノロジー社が90年代後半に開発したマウスピース型矯正装置で、CAD/CAMでマウスピースを製造するシステムの先駆けです。

日本にインビザラインが入ってきた当初は、インビザラインに類似するシステムは数えるほどしかありませんでしたが、それから10年以上たったいまは、多くの似たようなシステムがあります。それらすべてを総称して「マウスピース矯正」と呼んでいます。

目次

マウスピース矯正の分類

2019年現在、マウスピース矯正と呼ばれるシステムは数え切れないほどあります。ざっと下にリストアップしましたが、まだまだあります。

  • インビザライン
  • クリアコレクト
  • スパーク
  • シュアスマイル
  • クラリティ
  • アソアライナー
  • クリアアライナー
  • DENマウスピース
  • ケンライン

たくさんあるマウスピース矯正ですが、大きく2種類に分けることができます。

  • CAD/CAMを利用したもの
  • 上記以外

上記以外に分類されるマウスピース矯正の歴史は古く、数十年前からあります。技工士が手作業でマウスピース型矯正装置を作るので、労力的にも精度的にも全体的な矯正治療を行うことはできませんでした。

CAD/CAMを利用したものの先駆けが前述したインビザラインです。設計から製造まで手作業は一切ありません。すべてデジタルで行われます。そのため、高い精度を保ったまま多くの歯を同時に動かすような治療計画を作成することができます。そして、その治療計画に沿ったマウスピースを3Dプリンタを使って、正確に製作していきます。

このような技術革新によって、部分的な矯正治療にしか使えなかったマウスピース型矯正装置でも、全体的な矯正治療ができるようになりました。近年は口腔内3Dスキャナーが普及したので、歯の型を取る作業もデジタル化されています。

マウスピース矯正の特殊性

マウスピース矯正はいままでのワイヤーを使った矯正治療とはいろいろ違うところがあります。いうまでもなく、ワイヤー矯正はワイヤー(金属)を使いますし、マウスピース矯正はマウスピース(プラスチック)を使って歯を動かします。どのような材料で歯を動かすか? に違いがあって、歯が動く生体メカニズム自体は変わりません。

金属とプラスチックでは、硬さ、色、弾性など素材としての違いがあります。素材が違うので、その特性に合った治療計画を立てる必要があります。ワイヤー矯正は、ワイヤーの細かな調整が必要なので、ワイヤーを曲げる技術が正確ではないと、矯正治療が上手く進みません。そのため矯正歯科治療を習得するには、歯科医師になってから、少なくとも5年程度の修行が必要です。

マウスピース矯正はワイヤーの代わりに、マウスピース(プラスチック)を使って歯を動かします。マウスピースはクリンチェックどおりに工場で生産されるので、歯科医院で調整することはありません(厳密には予定どおりにならないことも多いので、歯科医院でやることはあります)。マウスピース矯正では、装置を作る前の治療計画がとても重要なのです。良い治療計画を立てられるようになるには、やはりそれなりの経験がないとできません。結局、ワイヤー矯正と同じ様に年数をかけて修行する必要があります。

マウスピース矯正における クリンチェック の重要性

マウスピース矯正のデメリット

取り外し可能な装置なのが、マウスピース矯正のデメリットであり、メリットでもあります。取り外せるので食事や歯みがきはいままで同じ様にできます。逆に取り外せるので、面倒がらずにがんばって1日20時間以上装着しなければなりません。装着時間が短いと予定どおり歯が動かず、治療期間が長引いてしまいます。

もうひとつ、ワイヤーと違ってマウスピースは歯の咬む面を覆っています。そのため、食事の時はマウスピースを外す必要があります。外さずに食事をすると、噛む力でマウスピースが変形してしまいます。食事の時に外すので、まれに紛失してしまうこともあります。

マウスピース矯正の特殊性で説明したように、マウスピース矯正を成功に導くには良い治療計画が大事です。治療計画を作るクリンチェックは、歯が3D画像で動くので、まるでその通りに歯が動くような錯覚を覚えてしまいます。しかし、それはあくまでシミュレーションで、クリンチェックにはレントゲンのデータなどシミュレーションに反映されてないものがたくさんある不十分な状態です。

どれだけ良いクリンチェックを作れるのか?が矯正歯科医の腕の見せ所なのですが、クリンチェックがとても優秀なソフトのため、誰でも簡単に矯正治療を始めることができるようになったと錯覚されてしまいました。

「マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて、すべて良い」なんて事はありませんので、しっかりと矯正歯科で話を聞いてください。