インビザラインでマウスピース矯正をしている医院や患者さんのブログなどに、「IPR」という言葉がよく登場します。歯を削る処置と書かれていることが多いですが、いったいどんなときにそれが必要なのでしょうか?

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「IPR」は「Interproximal Enamel Reduction」の略です。隣どおしの歯のエナメル質を削って薄くします。この手法は昔から矯正治療で行われてきました。隣どおしの歯のエナメル質を削って薄くするので、歯の横幅が小さくなります。ディスキング、ストリッピング、スライシングとも呼ばれています。

歯の一番外側のエナメル質を0.2〜0.5ミリ削ります。エナメル質の厚みは歯の種類によって異なりますが、日本人の場合、約1~2mmの厚みがあります。IPRの時に削る量は、約0.2〜0.5ミリです。隣どおしの歯のエナメル質を削るので、2〜4ミリの内の0.2〜0.5ミリを削ることになります。

歯の構造は大きく三つに分かれます。

歯髄:神経や血管の通っている場所
象牙質:骨と似た組織
エナメル質:非常に硬い材質

エナメル質は人の身体の中で、歯にだけ存在する組織です。上下の歯が当たる部分では、エナメル質は自然にすり減ります。 エナメル質の範囲内であれば、削っても問題はありません。過去の研究結果でも、IPRが原因で虫歯になったり、歯の寿命が短くなったりする報告はありません。

IPRは、削れる量が一定になるように設定してある専用器具を使用します。麻酔の必要もありません。インビザライン矯正ではクリンチェックによって、どの部位を、どのタイミングで、何ミリ削るのか計画を立てていますので、治療後に隙間が残ってしまったり、削りすぎたりすることはありません。

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