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歯列矯正の基礎知識

歯科矯正が痛いと感じるのはいつまで?痛みに不安を感じている人へ


歯科矯正をするにあたって、治療中の痛みが心配な人も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、歯科矯正中に痛いと感じてしまう原因から、痛みが続く期間の目安、傷みを和らげる対処法などをご紹介します。
現在、歯科矯正を受けようと思っている方や、お子さんの歯並びに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

【目次】
1、ワイヤーやブラケットなどの歯科矯正中に痛いと感じるのはどんな時?
 ・矯正器具による痛み
 ・歯が動く時の痛み
 ・噛む時の痛み
2、矯正中の痛みを和らげるには
3、インビザラインなら矯正中の痛みも少ない

ワイヤーやブラケットなどの歯科矯正中に痛いと感じるのはどんな時?

歯科矯正は痛い。このようなイメージをお持ちではありませんか?こんな不安をお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。矯正はしたいけど、痛みが怖くてなかなか踏み出せない。また、その痛みがいつまで続くか不安だという方の気持ちもお察しできます。

歯科矯正の治療において痛みが起こる原因は、大きく分けて「矯正器具によるもの」「歯が動くことによるもの」、そして「ものを噛むことによるもの」の3つ。ここからは、それぞれの痛みについて詳しくご説明します。

矯正器具による痛み

矯正器具を装着すると、器具の一部が口の内側や舌に接触することで、口内炎ができて痛みを感じることがあります。口内炎ができてしまった場合、基本的に3~4日までが痛みのピーク。1週間もすれば自然に治ることが多いようです。

矯正器具が当たることによる痛みは、多くの場合、ワイヤーとブラケットを使う矯正で起こります。当院で使用しているインビザラインはマウスピース型なので、装着しても口内炎ができづらく、痛みも少ないと感じられる患者様も多いようです。

歯が動く時の痛み

矯正治療は歯を少しずつ動かして治療していきます。

その仕組みを詳しくご説明しますね。
そもそも歯は骨の中に埋まっていて、少し押しただけで移動することはありません。しかし、ワイヤーやマウスピース矯正(インビザラインなど)を使って歯に負荷をかけ続けると、歯は少しずつ移動します。矯正器具により歯が骨に押し付けられると、歯の周囲にある歯根膜は正常な状態に戻ろうとします。この際、細胞の働きにより押し付けられた側の骨が溶け、反対側には骨が形成されます。矯正では、人間が持つこの働きを利用して歯を動かしていくのです。

この仕組みの中で、骨が溶ける際に痛みを感じさせる物質が分泌されます。歯が動く際に痛みを感じるのはそのためです。痛みは矯正装置を付けてから3~6時間ほどで始まり、およそ36時間後がピーク。その後、徐々に痛みは減り、1週間もすれば治まります。この痛みは、矯正装置の装着経験があるほとんどの人が感じるものです。痛みの感じ方は人それぞれですが、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)は歯全体に力をかけて少しずつ歯を動かすため、ワイヤーに比べて痛みが少ない傾向にあります。

噛む時の痛み

歯が動くことによる痛みを感じている間は、食事の際にも痛みを感じることがあります。とくに硬いものは、痛くて噛めないこともあるかもしれません。痛みが治まるまでの数日~1週間程度は、歯にやさしい食事がおすすめです。

矯正中の痛みを和らげるには

矯正による痛みは、ワイヤーの場合1週間程度で治まりますが、「耐えられない」と感じるような痛みに襲われることもあるかもしれません。それに対し、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)は耐えられないほどの痛みを感じることはなく、2~3日程度違和感を覚える程度です。

矯正中の痛みとは、うまく付き合っていくことが大切です。ここからは3つの痛みの原因別に、痛みを和らげる方法をご紹介します。

ワイヤー矯正の場合、矯正器具が口内に当たることによる痛みが伴います。そういった痛みに対処するには矯正用ワックスがおすすめです。矯正用ワックスとは、矯正器具をカバーする粘土のようなもので、これにより口内炎を防ぐことが可能です。

一方、インビザラインでは、矯正器具が柔らかいプラスチックでできているため、口内に当たる痛みも少なく、口内炎ができにくいという特徴があります。
歯が動くことによる痛みには、氷で冷やす対処法がおすすめです。ロキソニンなどの市販薬を飲むことでも痛みは押さえられますが、これらの薬が持つ炎症を抑える作用により、歯の移動が鈍くなってしまう可能性があります。薬の使用はできるだけ避け、どうしても耐えられない場合にのみ服用するようにしましょう。

食べ物を噛むことによる痛みの対処法は、あまり噛む力を必要としない食べ物を食べることです。痛む間は食べやすいおかゆやスープなどにして様子を見ましょう。

どの痛みにも共通することですが、我慢できない、寝られないほどの痛みを感じる場合は、器具を調整することで痛みを和らげることも可能です。

トラブルや不安は気軽に相談してみよう

痛みを感じる場合は、これまでにご説明したように、まずは歯科医に相談しましょう。そもそも矯正は、患者さんの協力の下、長くコツコツと続けることで結果を出す治療法です。親身になって、痛みの改善に当たってくれるでしょう。

まだ矯正を検討している段階の方は、歯科医院での初回カウンセリングで、心配に思うことをとことん質問してみてください。当院では、初回カウンセリングにて痛みへの不安はもちろんのこと、治療費用や治療後の歯並びのことなど、さまざまな疑問にお答えしています。

また当院では、この初回カウンセリング時に口腔内の診察、写真撮影、iTeroを使用した矯正治療のシミュレーションを行い、具体的な治療イメージについてご説明しています。カウンセリングは無料で受けていただけるので、ぜひ一度ご連絡ください。

カウンセリングについての詳細はこちらから

歯科矯正には痛みが伴うので、どうしてもネガティブなイメージがつきまといがちですが、痛みは一時的なもので対処法もあります。

あまり心配しすぎず、気軽に担当医に相談してみてください。皆様にとってベストな歯科矯正方法を探してくれるはずです。

インビザラインなら矯正中の痛みも少ない

歯科矯正には痛みが伴うのでどうしてもネガティブなイメージがつきまといがちですが、痛みが苦手な方は「痛みの少ない矯正装置」を選択するのも一つの方法です。

インビザラインをはじめとしたマウスピース矯正は、透明の薄いプラスチックを歯に装着するタイプの矯正装置なので、口の中を金具で傷つけたり口内炎ができたりといった心配がありません。そのため、大人の方はもちろん、小学生のお子さまや、部活動や習い事に打ち込んでいる学生の方にも人気の矯正治療です。

マウスピース矯正(インビザライン)は、形の違うマウスピースをご自身で交換していく治療方法ですが、1枚1枚のマウスピースの歯の移動量はコンピュータで0.25mm以下に制御されています。これは、歯と骨の間に存在する隙間と同じであり、歯を動かすのに適した優しい力が働くようにコントロールされています。歯の移動量を、歯科医師の感覚ではなく「数値」でコントロールしているのが大きな特徴と言えます。

実際に、新しいマウスピースをはめたときには、「痛い」というよりは「ちょっと歯が窮屈な感じがする」とおっしゃる患者様がほとんどです。食事の際には取り外しができるので、普段通り食事をとることも可能です。

現在では、このように矯正治療にも様々な方法があります。
あまり心配しすぎず、気軽に担当医に相談してみてください。皆様にとってベストな歯科矯正方法を探してくれるはずです。